深夜、スマホの画面がぼうっと光を放った。通知がある。こんな時間にメッセージを送ってくる相手なんて、ほとんどいない。特に、女性からは。アプリの通知。俺は少しだけ指先に力を込めた。 開くと、待ち望んでいた名前があった。 「Miyuki」 先日マッチングしたばかりの女性だ。プロフィール写真は柔らかい雰囲気で、確か、俺と同じように激務に追われている、一つ年下の看護師さんだったはずだ。 「今日も一日お疲れ様でした。伊藤さんも、大変な一日でしたか?」 シンプルだけど、心のこもった一言だった。38年間生きてきて、こんな ...