「よし、これで完璧だろ」 俺、藤井拓也は、スマホの画面に映る自分の顔写真とプロフィールを眺め、小さく頷いた。バンドのローディーという職業柄、普段から汗まみれのTシャツにジーンズという格好が多い俺にとって、こういう洒落たアプリに登録するのは少し気恥ずかしかったが、これも時代の流れってやつだろう。友人たちが次々とアプリで彼女をゲットしているのを見て、正直焦りも感じていた。特に、健太なんて、いつの間にか新しい子とデートを重ねているし。 俺のプロフィールには、「音楽が好きで、ライブハウスによくいます。裏方の仕事で ...