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2025/5/28

君と歩む道 ~365日のプロポーズ~ 第11章:祝福の誓いと、永遠の旅立ち

朝、目覚めると、見慣れないホテルの天井が視界に広がった。昨夜は、里奈と別々の部屋で過ごした。隣に里奈がいないことに、一瞬だけ寂しさを覚えるが、今日は、二人の人生にとって最も大切な日なのだ。それを思うと、胸が高鳴った。まるで子供の頃の遠足の日のように、期待に胸を膨らませていた。カーテンの隙間から差し込む柔らかな朝日に、俺はゆっくりと体を起こした。 バスルームに向かい、鏡に映る自分を見つめる。今日、俺は里奈の夫になる。その事実が、俺の心に、これまで感じたことのないほどの大きな責任感と、そしてこの上ない幸福感を ...

2025/5/30

救済者か、堕天使か 第三章:カフェ奥の秘密

再び、扉の鈴が鳴った。俺は、反射的にそちらに視線を向けた。そこに立っていたのは、信じられないことに、ミキだった。 「こんにちは、修太さん♪」 ミキは、修太に向かって、弾けるような笑顔を向けた。その笑顔は、あの夜、修太に向けたものと同じ、親密な笑顔だった。俺の耳が、カーッと熱くなるのが分かった。全身の血が、顔に集中していくような感覚に襲われた。 「あれ…?真輝人くん?」 ミキは、俺の姿に気づくと、驚いたような顔をした。その瞳は、俺を真っ直ぐに見つめている。俺は、言葉に詰まってしまった。 「あ!ミキちゃん!」 ...

2025/5/29

もう一度、君と歩むために 第五章:別れの予感と抗う心

愛の声は、震えながらも、はっきりと俺の耳に届いた。 「でも、私……聡さんと、このままじゃいけないって思うの」 その言葉が、俺の心臓を鷲掴みにした。まるで、鋭いナイフで切り裂かれたかのような痛み。俺は、その場で凍り付いてしまった。カフェのざわめきが、遠い幻のように聞こえる。俺と愛の間に、透明な壁が立ち上がったような気がした。その壁は、分厚く、そして冷たい。 「……どういうことだよ、愛ちゃん」 俺の声は、掠れていた。握りしめた愛の手は、ひどく冷たかった。まるで、今までの温かい繋がりが、全て幻想だったかのように ...

2025/5/28

君と歩む道 ~365日のプロポーズ~ 第10章:揺るぎない絆と、未来への確信

里奈と俺の関係は、プロポーズを経て、揺るぎないものとなった。婚約指輪をはめた里奈の左手の薬指を見るたび、俺の心は温かい光に包まれた。その指輪は、ただの宝飾品ではなく、俺たちの愛と、未来への誓いを象徴する、かけがえのないものだった。もう、あの頃の孤独な日々には、二度と戻れない。そして、戻りたくもない。俺は、里奈の存在を、心の底から深く求めていた。彼女は、俺の人生の全てを鮮やかな色で染め上げ、意味を与えてくれた。だからこそ、その愛を、永遠に守り続けると、心に強く誓った。その誓いは、俺の心の中で、揺るぎない確信 ...

2025/5/30

救済者か、堕天使か 第二章:強者の影、秘められた関係

その声が聞こえた瞬間、男たちの動きがピタリと止まった。俺は恐る恐る振り返った。そこに立っていたのは、まるで彫刻のように鍛え上げられた、長身の男性だった。服の上からでも、彼の筋肉の隆起がはっきりと見て取れる。その男は、信じられないことに、ガラの悪い二人の男の首根っこを、片手ずつ掴み上げていたのだ。 「ぐっ…!」「あっ・・・!」 男たちは、宙に浮かせられた状態で、苦しそうに呻く。顔を真っ赤にして、足をもがいている。男は、まるでゴミでも捨てるかのように、掴んでいた男たちをそのまま近くのゴミ捨て場に叩きつけた。ガ ...

2025/5/29

もう一度、君と歩むために 第四章:甘い日常と揺れる心

愛と身体を重ねた夜から、俺たちの関係はより一層深まった。毎日、愛からの「おはよう」のLINEで俺の一日は始まり、彼女の「おやすみ」のメッセージで終わる。デートの頻度も増え、二人で過ごす時間が、俺の生活の中心となっていた。バイト先のコンビニの蛍光灯の光も、以前より温かく感じられるようになった。愛の存在が、俺の日常に鮮やかな彩りを与えていた。俺の乾いた心に、愛という名の泉が湧き出したようだっ ある日、愛の家へ行くことになった。愛からの誘いだった。 「聡さん、今度うちに来てよ。何か美味しいもの作ってあげる」 愛 ...

2025/5/28

君と歩む道 ~365日のプロポーズ~ 第8章:未来への萌芽と、紡がれる家族の絆

里奈と俺の関係は、あの危機を乗り越えたことで、より強固なものになった。俺は、もう二度と里奈を傷つけないと、心に誓った。里奈の存在が、俺の人生に意味を与え、彩りを加えてくれた。もう、あの頃の孤独な日々には、戻れない。戻りたくない。俺は、里奈の存在を、心の底から求めていた。そして、その愛を、永遠に守り続けると、心に強く誓った。 俺たちの日常は、里奈の存在で一変した。朝、目覚めると隣には里奈がいて、柔らかな光の中で彼女の寝顔を見つめる。それが、俺にとって何よりの癒しだった。朝食は、里奈が作ってくれる温かい味噌汁 ...

2025/5/30

救済者か、堕天使か 第一章:パドローナの天使、そして一筋の影

「ミキちゃん、今日もありがとね!」 俺の声は、いつもより少しばかり上擦っていた。ソープランド「padrona(パドローナ)」その煌びやかな空間に、俺、大島真輝人は、今日も吸い寄せられるように足を踏み入れていた。アルバイトの給料は、この店に通うためにあると言っても過言じゃない。俺は27歳、未婚。今まで一度も女性と真剣にお付き合いしたことのない、いわゆる素人童貞だ。そんな俺が、初めて本気で好きになった女性が、この店のミキだった。 「真輝人くん、また来てね!」 ミキの柔らかな声が、俺の背中を優しく押す。その笑顔 ...

2025/5/29

もう一度、君と歩むために 第三章:熱と戸惑いの夜

愛とのキスは、俺の全てを奪い去るかのように深く、激しくなっていった。俺は、愛の華奢な体を抱きしめ、さらに強く引き寄せた。彼女の胸の膨らみが、俺の胸に柔らかく押し付けられる。その感触に、俺の理性の箍が外れそうになった。愛の体温が、俺の全身に伝わってくる。熱い。全てが熱い。俺の鼻腔には、愛の甘い香りが充満している。それは、俺を狂わせるには十分すぎるほどの、官能的な香りだった。五感の全てが、愛で満たされていく。 「もっと、愛ちゃんを感じたい……」 俺の言葉は、ほとんど声になっていなかっただろう。喉がカラカラに乾 ...

2025/5/28

君と歩む道 ~365日のプロポーズ~ 第6章:日常の波紋と、揺らぎ始める感情

里奈と俺の関係は、肌を重ねることで、これまでとは比べ物にならないほど深く、確かなものになった。週末を一緒に過ごすのは当たり前になり、平日の夜も、里奈は頻繁に俺のマンションに泊まりに来た。彼女が部屋にいるだけで、冷たい部屋が温かい色に染まるようだった。 朝、目覚めると、隣には里奈の寝顔があった。柔らかな髪が枕に散らばり、わずかに開いた唇からは、規則正しい寝息が聞こえる。その寝息を聞いているだけで、俺の心は満たされた。朝食は、里奈が俺のために作ってくれる温かい味噌汁と、炊き立てのご飯。忙しい朝でも、俺の体調を ...