獣たちの密約
数日後、恵子のマンションで迎えた朝は、俺の人生の中でも特別なものだった。
カーテンの隙間から差し込む柔らかな朝日が、恵子の寝顔を照らしていた。
昨夜の激しい情事の余韻が、まだ部屋中に漂っている。恵子の腕は俺の身体にしっかりと絡みつき、その温もりは、俺の心を満たしていた。
俺は恵子の髪をそっと撫でた。絹のように滑らかな感触が指先に伝わる。
恵子は小さく身じろぎ、薄く目を開けた。
「んん……翔太さん……」
潤んだ瞳が、俺を見上げる。
その瞳には、深い愛おしさと、満たされた幸福感が宿っていた。
「おはよう、恵子」
俺は恵子の額にキスを落とした。彼女は、ふにゃりと嬉しそうに笑った。
朝食は、恵子が手際よく作ってくれた。
焼きたてのパンと、淹れたてのコーヒーの香りが、部屋中に広がる。
食卓での会話は、昨夜の情事とは打って変わって、穏やかで、恋人同士のような他愛もないものだった。
恵子の笑顔を見るたびに、俺の心は温かくなる。
この女は、俺の人生にとって、なくてはならない存在になっていると、改めて実感した。
彼女が俺に向ける眼差しは、純粋な好意と、深い愛情に満ちている。俺もまた、恵子のその真っ直ぐな好意に応えたいと、強く感じていた。
「翔太さん、今日のスケジュールですが・・・」
食後のコーヒーを飲みながら、恵子がプロフェッショナルな顔で説明をしようとしていた。
その切り替えの早さに、俺は思わず苦笑する。
恵子は、完璧な秘書として、今日の打ち合わせの予定を俺に確認してきた。
そのプロフェッショナルな姿勢と、俺への深い好意のギャップが、俺の背徳感を一層煽る。
「恵子。ちょっと待て・・・」
「はい、何でしょう・・・?」
「ここに座れ」
俺は、自分の腿の上に恵子を座らせ、恵子を抱きしめながら、スケジュールの確認をさせた。
恵子がスケジュールを読み上げる間、俺は恵子の腰や尻を撫でまわす。
「あん・・・、翔太さん・・・」
恵子の顔からプロフェッショナルさが消え、一人の女の顔へ変わっていく。
「恵子・・・。今日も綺麗だよ」
「嬉しい・・・」
恵子の唇を奪いながら、彼女の色香を身体全体で感じていた。
柔らかな朝日が差し込む・・・。今日も新しい一日が始まる。
会社に到着すると、恵子はにこやかに俺に挨拶し、先にオフィスへと入っていった。
その背中を見送りながら、俺は今日の打ち合わせへの期待と、浩二から持ちかけられた「秘書の交換」という、新たな刺激への欲望を胸に抱いた。
恵子への愛おしさと、裕美への好奇心。
相反する感情が、俺の胸の中でせめぎ合っていた。
恵子への好意は、俺にとって紛れもない真実だった。
彼女の存在は、俺の日常に光を与え、安らぎをもたらしてくれる。
しかし、同時に、男の持つ根源的な探究心と、まだ見ぬ快楽への渇望が、俺の心を燻っていたのだ。
昼過ぎ、浩二と裕美を交えての打ち合わせが始まった。
恵子と裕美は、流石は敏腕秘書とデザイナー。
テキパキと資料をまとめ、的確な意見を述べ、打ち合わせは順調に進んでいく。
だが、俺の意識は、常に裕美の存在に吸い寄せられていた。
彼女のグラマーな体型、ビジネススーツの下に隠しきれない豊かな胸元。
会議中に書類を渡す際に、偶然触れ合った指先から伝わる、成熟した女の熱。
それら全てが、俺の欲望を掻き立てる。
浩二と目が合うと、彼は意味深な笑みを浮かべた。
俺の心の内を見透かしているかのようなその視線に、俺は軽く舌打ちをした。
打ち合わせが終わり、俺は恵子を呼び出した。
オフィスには俺と恵子だけ。
蛍光灯の冷たい光が、二人の間に漂う緊張感を際立たせる。
恵子は、いつものように俺の顔色を伺い、どこか不安げな表情を浮かべていた。
「恵子。お前に、話がある」
俺の声は、自分でも驚くほど重かった。恵子の肩が、びくりと震える。彼女の瞳が、俺の顔に釘付けになった。
「はい、翔太さん……なんでしょう?」
恵子の声は、微かに震えていた。俺は、彼女の隣に座り、その手を握った。恵子の指先は、ひどく冷たかった。
「実は、杉本と話して、秘書を交換することにした」
俺の言葉を聞いた瞬間、恵子の顔から血の気が引いた。その瞳は大きく見開かれ、信じられないものを見るかのように俺を見つめた。
「え……? 翔太さん……それは……どういう意味ですか?」
恵子の声は、途切れ途切れで、今にも泣き出しそうだった。
俺は、彼女の目を真っ直ぐに見据える。
この女に嘘はつけない。
だが、真実を告げるには、俺自身の欲望を認める必要があった。
「恵子。俺は、松田裕美に興味がある。そして、浩二は、お前のことを気に入っているんだ」
俺の言葉が、恵子の心に深く突き刺さったのが分かった。
彼女の唇が震え、瞳の奥に涙が滲む。
「そんな……っ! 翔太さん……私では……私ではダメなんですか……?」
恵子の声が、悲痛な叫びとなってオフィスに響いた。
俺の胸が締め付けられる。
恵子の真っ直ぐな好意を、俺は知っている。だからこそ、この言葉は、俺の心に重くのしかかった。
「違う、恵子。お前がダメだというわけじゃない。ただ……新しい刺激が、俺には必要なんだ」
俺は、恵子の頬に手を伸ばし、流れ落ちる涙を拭う。
彼女の肌は、ひどく熱を帯びていた。
恵子は、俺の言葉に、何も言えずにただ俯く。その肩が、小刻みに震えていた。
「恵子、この関係は、ビジネスのためでもあるんだ。杉本との関係をより強固にするためにも……」
俺は、詭弁を弄した。
だが、恵子は、俺の言葉の裏にある本心を見抜いているかのようだった。
彼女は顔を上げ、潤んだ瞳で俺を見つめた。
「翔太さん……私……翔太さんのためなら……なんでもします……」
恵子の言葉に、俺の心臓が大きく波打った。
その瞳の奥には、悲しみと絶望に加えて、俺への深い愛と、狂気にも似た執着が宿っているのが見えた。
俺は、恵子の身体を強く抱きしめた。
彼女の温かさが、俺の胸にじんわりと伝わってくる。
その背中を撫でながら、俺は囁いた。
「ありがとう、恵子。お前は、本当にいい女だ」
その夜、俺たちは恵子のマンションで、再び激しい情事を繰り返した。
いつも以上に、恵子は俺の身体を求めた。
その指は俺の背中を強く掻きむしり、その唇は狂ったように俺のものを貪った。
「んんっ……翔太さん……私を……私だけを……見て……」
恵子の喘ぎ声は、切羽詰まった懇願のようだった。
俺は、彼女の言葉に応えるように、何度も深く突き上げた。
ドスッ、ドスッ、と肉がぶつかり合う鈍い音が、部屋中に響き渡る。
快楽の絶頂で、恵子の身体は大きく弓なりにしなり、甘い悲鳴を上げた。
「あっ……ああああ……っ!」
その声が、俺の耳朶を揺さぶる。
恵子の身体が痙攣し、俺のものを奥へと締め付ける。
熱い塊が、彼女の身体の奥へと注ぎ込まれていく。
恵子は、もうぐったりとして、俺の腕の中で安堵の息を吐いた。
俺は、彼女の汗ばんだ髪を撫で、額にキスを落とした。
恵子の瞳は、まだ快楽に蕩けていたが、その奥には、微かな不安の色が宿っているかのようだった。
だが、もう引き返せない。
絡み合う糸は、さらに複雑に、深く絡み合っていく…
翌日、俺と浩二は、互いの秘書を伴って顔を合わせた。
恵子は、普段と変わらぬプロフェッショナルな顔で、しかしその瞳の奥には、微かな翳りを宿しているかのようだった。
裕美は、いつものように艶やかな笑みを浮かべ、俺に視線を投げかける。その視線に、俺の身体の奥がざわめいた。
「では、今日から、秘書の交換ということで」
浩二の声が、重々しく響く。
恵子の手が、小さく震えているのが分かった。
俺は、恵子の肩にそっと手を置く。
彼女は、俺の指先に、縋るように触れた。
「恵子、頼んだぞ。浩二のことは、俺だと思ってサポートしてやってくれ」
俺は、恵子の瞳を見つめ、精一杯の優しい言葉をかけた。
恵子は、涙を堪えるように唇を噛み締め、小さく頷いた。
その姿に、俺の胸は再び締め付けられる。
浩二は、裕美の腰に手を回し、俺たちの前へと連れてくる。
裕美のグラマーな身体が、俺の視線を釘付けにする。
「翔太、裕美を頼むぞ。彼女は優秀な秘書だ。そして……お前の期待には、きっと応えてくれるだろう」
浩二の言葉は、まるで俺の欲望を見透かしているかのような響きを帯びていた。
裕美は、艶やかな笑みを浮かべ、俺に手を差し出した。
「竹内社長。今日から、どうぞよろしくお願いします。精一杯、お力になれるよう努めます」
その声は、どこか甘く、俺の心を誘うかのようだった。
俺は、裕美の手を握る。
その指先から伝わる、熱と、しっとりとした感触に、俺の身体の奥が熱くなるのを感じた。
俺たちの視線が絡み合った瞬間、電流が走った。
新たな関係が、今、始まったのだと、俺は直感した。
恵子と裕美、二人の女の間で、俺の欲望は、どこまで深まるのだろうか。
そして、この複雑に絡み合った糸の先に、一体何が待ち受けているのだろうか。
俺は、その答えを知ることに、すでに抗えないほど惹きつけられていた。
翌日から、俺と裕美の新たな関係が始まった。
裕美は、恵子とは全く違うタイプの秘書だった。
恵子が細やかな気配りで俺を支えてくれるとすれば、裕美は、その成熟した魅力で、俺の男としての本能を刺激してくる。
会議中、資料を渡す際に、ふと触れる彼女の指先や、コーヒーを差し出す際に、わずかに前かがみになった時に見える胸元の谷間。
その一つ一つが、俺の心をざわめかせた。
初めて二人きりでオフィスに残った夜、俺は裕美に、残業を装うよう指示した。
静まり返ったオフィスに、裕美のハイヒールの音が響く。
彼女は、俺のデスクの前に立つと、艶やかな笑みを浮かべた。
その表情は、昼間のビジネスライクなそれとは全く違う、獲物を前にした獣のような、獰猛さを秘めていた。
「翔太さん、何かご用でしょうか?」

裕美の声は、普段よりも一層低い。
その言葉の響きに、俺の全身の毛穴がざわめく。
俺は立ち上がり、裕美の身体をゆっくりと引き寄せた。
彼女の纏う香水の匂いが、俺の鼻腔をくすぐる。
それは、恵子のシャンプーの匂いとは違う、大人の女の、甘く濃厚な香りだった。
「ああ、用があるさ。お前と、二人きりになる用事がな」
俺の言葉に、裕美はくすりと笑った。
その笑い声は、どこか挑発的で、俺の欲望を煽る。
俺は、裕美の唇を貪るように塞ぎ、舌を絡めた。
恵子の蜜とは違う、濃厚で、どこか苦味を帯びた、大人の蜜の味。
裕美の舌は、俺の舌を迎え撃つように絡みつき、さらに深く、絡み合っていく。
オフィスに響くのは、俺たちの息遣いと、唇が絡み合う湿った音だけ。
カツン、カツンと、遠くで秒針が時を刻む音だけが、現実との繋がりをかろうじて保っているかのようだった。
裕美の手が、俺のシャツのボタンに触れる。
その指先が、ゆっくりとボタンを外していく。
一つ、また一つと、ボタンが外れていくたびに、俺の胸が高鳴った。
シャツがはだけ、俺の胸板があらわになる。裕美は、その胸に顔を埋め、熱い吐息を漏らした。
「翔太さん……」
その声は、昼間のオフィスで見せる、プロフェッショナルな響きとは全く違う、甘く、誘うような声だった。
俺は、裕美のビジネススーツのジャケットに手をかけた。
それを脱がせると、その下に現れたのは、タイトなブラウス。
豊かな胸の膨らみが、ブラウスの生地を押し上げている。
俺は、そのブラウスのボタンを一つずつ外していく。
裕美の指が、俺の髪に絡みつき、グッと引き寄せられる。
「んんっ……翔太さん……だめ……」
裕美の声は、戸惑っているかのようだった。
ブラウスがはだけ、その下に現れたのは、黒いレースのブラ。
豊満な胸元が、ブラの中で大きく揺れる。
その先端は、すでに固く、熱を帯びていた。
俺は、その熱い先端を唇で含み、優しく吸い上げた。
裕美の身体が、大きく弓なりにしなる。
「んんっ……あぅ……翔太さん……」
裕美の喘ぎ声が、オフィスに響き渡る。
俺は、裕美のスカートのファスナーに手をかけた。
ゆっくりと下ろしていくと、その下に現れたのは、黒いストッキングに包まれた太もも。
俺は、ストッキングの縁を指でなぞり、ゆっくりと捲り上げていく。
その下に現れた、しっとりとした肌の感触に、俺の指先が痺れる。
裕美は、俺の視線を受け止めながら、自らデスクに浅く腰掛けた。
その姿勢は、まるで俺を受け入れる準備をしているかのようだった。
俺は、裕美の足の間に入り込み、そのスカートをさらに捲り上げた。
真っ黒なレースのショーツが、彼女の肌に食い込むようにぴったりと張り付いている。
そこから、わずかに湿った熱気が伝わってきた。
「裕美……」
俺は、そのレースのショーツの上から、裕美の秘部を撫でた。
裕美の身体が、ビクンと大きく震える。
彼女は小さな悲鳴のような声を漏らし、俺の首に腕を回してしがみついてきた。
その指先は、俺の背中に食い込むほどだった。
「あん……翔太さん……」
裕美の声は震えていたが、その瞳の奥には、抵抗よりも深い欲望の色が宿っていた。
その言葉が、俺の興奮をさらに煽る。俺は裕美の耳元に唇を寄せ、低い声で囁いた。
「誰もいない。大丈夫だ、裕美」
俺は迷わず、裕美のショーツに指をかけた。
するりと下ろしていくと、濃厚な甘い香りが一層強くなる。
そこに現れたのは、熟れた果実のようにふっくらとした、淡い桃色の花弁。
しっとりと濡れていて、今にも蜜が溢れ出しそうだった。
俺は、その柔らかい感触に指を滑らせる。
「ひっ……!」
裕美が、大きく息を呑んだ。
その身体は、全身が震え、俺の胸に顔を埋めた。
俺は、その花弁をゆっくりと開かせ、その奥へと指を差し入れた。
裕美の身体が、痙攣するように震え始める。
彼女の足が俺の腰に絡みつき、さらに奥へと導くかのように締め付けてきた。
「んんっ……あぅ……翔太さん……やめ……あん……」
その矛盾した言葉が、俺の欲望を加速させた。
裕美の抵抗は、俺にとっては快楽のサインだった。
俺は、さらに深く、指を動かした。
裕美の身体から、甘い蜜が溢れ出し、俺の指を濡らしていく。
その熱と湿り気が、俺の指先にまとわりつく。
俺は、その蜜を指ですくい取り、裕美の唇に押し付けた。
裕美は、半ば無意識のうちに、その指を舐めとった。
その行為が、俺の心臓を鷲掴みにする。
「いい女だな、裕美・・・」
俺の言葉に、裕美の身体がさらに震えた。
彼女の瞳には、涙が浮かんでいたが、それは悲しみではなく、快楽のあまりの揺らぎだと俺は知っていた。
俺は、裕美を抱き上げたまま、ソファーへと移動した。
オフィスに設置された、打ち合わせ用の簡素なソファーだが、今夜は俺たちの秘密の舞台となる。
裕美をソファーに横たえると、彼女は自らスカートをさらに捲り上げ、俺を受け入れる準備をするかのように、足を開いた。
俺は、彼女の太ももの内側をゆっくりと撫で上げる。
その肌の柔らかさ、その下の熱が、俺の欲望をかき立てる。
その豊満な曲線、柔らかな膨らみ、そして、熱を帯びた奥深く。全てが俺を狂わせる。
俺の指が、裕美の肌の上をゆっくりと這いずるたびに、彼女の身体が小刻みに震えるのが分かった。
「はぁ……翔太さん……」
裕美の呼吸が荒くなる。俺は彼女の耳元に唇を寄せ、囁いた。
「裕美、もっと感じてみろ……俺に、全てを晒け出せ」
裕美の瞳は、快楽に蕩けていた。焦点が合わず、どこか遠くを見つめている。
彼女の身体が、俺の言葉に反応するように、さらに熱を帯びた。
その小さな吐息が、俺の顔に熱くかかる。
裕美の指が俺の髪に絡みつき、グッと引き寄せられる。
俺は裕美の唇を再び貪り、その全てを吸い尽くすかのように、深く、深く口付けた。
そして、俺は裕美の上に覆いかぶさり、彼女の熱い奥へとなだれ込んだ。
裕美の身体が大きく跳ね、快楽の絶叫が喉の奥で押し殺された。
ヒュー、ヒューと、荒い呼吸が俺の耳に届く。
その度に、裕美の秘部が俺のものを締め付ける。
何度も、何度も、深く、強く、俺は裕美の身体を貪った。
彼女の吐息が、甘い呻き声へと変わっていく。
「んっ……んんっ……翔太さん……だめ……もう……」
その声に、俺はさらに深く突き上げた。
互いの身体がぶつかり合う鈍い音と、粘りつくような嬌声が、静かなオフィスに響き渡る。
快感が、脳の奥深くを痺れさせる。裕美の身体が、俺の動きに合わせて小刻みに震え、やがて大きく弓なりにしなった。
「あっ……ああああ……っ!」
裕美の声が、オフィスに響き渡る。
その瞬間、彼女の身体が大きく痙攣し、俺を奥へと締め付けた。
俺もまた、その快感の波に抗えず、裕美の奥で、全てを解放した。
熱い塊が、裕美の身体の奥へと注ぎ込まれていく感触が、俺の全身を駆け巡る。
裕美の身体は、もうぐったりとして、俺の腕の中で安堵の息を吐いた。
疲労感と、満たされた快感が、二人の身体を支配する。
俺は裕美の隣に横たわり、彼女の髪を撫でた。
裕美は俺の腕の中で、安堵の息を吐いていた。
「裕美……」
「はい、翔太さん……」
二人の間に言葉は少なかったが、ビジネスパートナーという枠を超えた、男と女の本能的な繋がりだった。
そして、この関係は、俺の生活に新たな刺激と、言いようのない背徳感をもたらしていた。
恵子への愛着と、裕美への渇望。相反する感情が、俺の心の中で渦巻いていた。
俺は、この新たな局面が、俺の人生に何をもたらすのか、その行方を見極めることに、すでに心を奪われていた。