恋愛ストーリー

君と歩む道 ~365日のプロポーズ~ 第4章:甘い予感の囁きと、肌の記憶


東京駅の喧騒の中で、俺たちは固く抱きしめ合った。里奈の体温が、俺の全身を温かく包み込み、出張の疲れを忘れさせてくれる。俺の腕の中にある里奈の体が、まるで俺の全てを肯定してくれるようだった。この温かさと、この肌の触れ合いが、ずっと続けばいいと、心の底から願った。その夜、俺たちは、もう二度と離れたくないと、強く感じていた。そして、二人の間に、これまでの何倍も深い絆が生まれたことを、俺は肌で感じていた。それは、言葉では表現できない、強く、そして甘美な感覚だった。

人目をはばからず抱きしめ合った後、里奈は少し照れたように顔を上げ、俺の腕から離れた。


「さ、寒いから早く帰ろっ♡」


そう言って、俺の腕に再び抱きつきながら、里奈は駅の出口へと歩き出した。彼女の柔らかな温もりが、俺の全身に広がる。冬の冷たい空気が、まるで嘘のように感じられた。彼女の髪が、俺の頬に触れるたびに、甘い香りが鼻腔をくすぐる。その香りは、俺の心を深く落ち着かせた。俺の肩に里奈の小さな頭がもたれかかり、その重みが、俺の心をさらに満たしていく。

「お腹空いてない?何か美味しいもの作ってあげるよ」


里奈が、上目遣いで俺の顔を覗き込んだ。その瞳は、潤んでいて、まるで誘惑しているかのように俺を見つめる。

「空いてる。里奈の手料理、楽しみだな」


俺は、里奈の頭をポンポンと優しく撫でてあげた。彼女の髪は柔らかく、指の間を滑り落ちていく。その感触が、俺の指先に心地よい刺激を与える。

駅を出てタクシーを拾い、俺たちのマンションへと向かった。車内でも、里奈は俺の隣にぴったりと体を寄せ、俺の腕に抱きついていた。その小さな手が、俺の服の袖をぎゅっと握りしめている。

「康介さん、疲れてるでしょ?家に着いたら、ゆっくり休んでね」


里奈の声は、優しい気遣いに満ちていた。その声を聞くたびに、俺の心の奥底に、温かい液体が染み渡るような感覚を覚えた。

マンションに着き、エレベーターを上がっていく間も、里奈はずっと俺の腕を離さなかった。部屋の鍵を開け、中に入ると、俺はスーツケースを放り出し、そのまま里奈を抱きしめた。


「ただいま」
「おかえり」


里奈が、俺の胸に顔を埋めて囁いた。彼女の吐息が、俺の首筋にかかる。

「先にシャワー浴びてきていいよ。その間に、何か作っておくね」


里奈が、俺の背中を優しくポンポンと叩いた。俺は、里奈の言葉に甘え、バスルームへと向かった。温かいシャワーが、旅の疲れと駅での興奮を洗い流していく。湯気が満ちるバスルームで、俺は里奈の存在を改めて感じていた。彼女がこの部屋で、俺のために料理を作ってくれている。その事実が、俺の心を温かく満たした。

シャワーを浴び終え、リビングに戻ると、キッチンからは食欲をそそる香りが漂ってきた。食卓には、温かい味噌汁と、香ばしい焼き魚、そして炊きたての白いご飯が並べられていた。どれも、里奈の家庭的な温かさが伝わってくる料理だった。


「わぁ、美味しそう!」
俺が声を上げると、里奈は嬉しそうに微笑んだ。


「康介さんの好きなもの、いくつか作ってみたの」


食卓に座り、二人で食事を始めた。温かい味噌汁が、疲れた体に染み渡る。里奈が作った料理は、どれも俺の好みにぴったりで、心が温まる味だった。


「美味しい。里奈、本当に料理上手だね」
俺が褒めると、里奈は少し照れたように俯いた。


「康介さんが喜んでくれてよかった」


食事中も、俺たちは今日あった出来事を話したり、他愛のない冗談を言い合ったりした。里奈の隣で食べる食事は、これまで一人で食べてきた食事とは全く違う、温かく、満たされたものだった。

食事が終わり、片付けを終えると、俺たちはソファに並んで座った。里奈は、俺の肩にもたれかかり、俺は彼女の柔らかな髪をそっと撫でた。


「ねぇ、康介さん、お土産、見せてくれる?」


里奈が、甘えた声で俺に尋ねた。


「もちろん。はい、これ」


俺は、スーツケースから九州のお土産を取り出した。可愛らしいキーホルダーと、地元の銘菓。


「わぁ!可愛い!嬉しい!ありがとう、康介さん!」


里奈は、キーホルダーを手に取ると、子供のように目を輝かせた。その笑顔を見るたびに、俺の心は温かいもので満たされた。

里奈が俺の肩に顔を埋め、小さな声で囁いた。


「康介さん、私ね、やっぱり寂しかった・・・」


その声は、甘く、そして切なかった。俺の腕の中で、里奈の体が小さく震える。

「俺も寂しかったよ。里奈がいない3日間、すごく長く感じた」


俺は、里奈の髪を優しく撫でながら、正直な気持ちを伝えた。

「だから、今日はサービスしてあげるって言ったの」


里奈は、顔を上げ、潤んだ瞳で俺を見つめた。その瞳は、まるで熱を帯びた宝石のように、俺の全てを吸い込もうとしているかのようだった。その言葉が、俺の頭の中で響き渡る。サービス……。俺の理性が、少しずつ揺らぎ始める。

「里奈、一人でしてた?」


俺は、意地悪な質問を重ねた。すると、里奈の顔は、さらに赤くなった。

「知らないw」


そう言って、里奈は再び俺の腕に顔を埋めた。彼女の鼓動が、俺の腕に伝わってくる。それは、俺の鼓動と共鳴しているようだった。俺の理性の箍が、完全に外れる寸前だった。里奈の柔らかな体温が、俺の体を包み込み、俺の全ての感覚を麻痺させていく。

俺は、里奈の顔を両手で包み込み、ゆっくりと彼女の唇に自分の唇を重ねた。甘く、柔らかい感触。里奈の唇から、微かに香るコーヒーの匂いと、俺には初めて感じる、彼女自身の甘い匂いが混じり合う。最初は優しく、そして徐々に深く、俺たちはキスを交わした。里奈の小さな手が、俺の首にそっと回される。彼女の吐息が、俺の頬にかかる。その熱が、俺の全身を駆け巡った。

キスが深まるにつれて、俺たちの間にあった最後の境界線が溶け合うのを感じた。俺の指先が、里奈の柔らかな髪をすべり、彼女の白い首筋に触れる。里奈の体が、俺の体にぴったりと寄り添い、二人の間に隙間はなくなった。俺の男としての欲求が、抑えきれないほどに高まっていく。

里奈は、俺の唇からわずかに離れ、潤んだ瞳で俺を見上げた。


「康介さん…」


その声は、甘く、そして震えていた。

俺は、里奈を抱き上げ、寝室へと向かった。月明かりが差し込む寝室は、幻想的な雰囲気に包まれていた。ベッドに里奈を優しく横たえ、俺は彼女の上に覆いかぶさるように体を寄せた。里奈の瞳は、期待と少しの不安が入り混じったような光を帯びていた。

「里奈…」
俺は、里奈の頬に触れ、ゆっくりと撫でた。彼女の肌は、信じられないほど滑らかで、熱を帯びていた。

里奈は、ゆっくりと目を閉じ、俺の唇を受け入れた。再び重なり合う唇。今度は、もっと深く、もっと激しく。俺の舌が、里奈の口の中を探る。彼女の舌が、俺の舌に絡みつき、甘い蜜のような感覚が広がる。息が苦しくなるほどに、俺たちは求め合った。

俺の指先が、里奈のブラウスのボタンを一つ一つ外していく。白い肌が露わになるたびに、俺の胸は高鳴った。里奈の柔らかな胸が、俺の視界に飛び込んでくる。その肌に触れると、まるで絹のような滑らかさに、俺の指先が震えた。里奈の小さな手が、俺のシャツの裾を握りしめている。

「康介さん…、好き…」


里奈が、喘ぐような声で囁いた。その言葉が、俺の理性の最後の砦を打ち破った。

俺は、里奈の体を優しく包み込み、その温かい肌に自分の体を重ねた。二つの体が、一つになる瞬間。それは、言葉では表現できないほどの、強烈な快感と、深い安心感だった。里奈の小さな声が、俺の耳元で甘く響く。

「康介さん…、もっと…」


その言葉に、俺はさらに深く彼女を求めた。肌と肌が触れ合うたび、俺たちの絆は、より一層深く、そして確かなものになっていくのを感じた。

夜が更け、月明かりだけが部屋を照らす。俺たちは、汗ばんだ肌を寄せ合い、抱きしめ合ったまま、静かに眠りについた。里奈の柔らかな寝息が、俺の耳元で聞こえる。その寝息が、俺の心を安らぎで満たした。俺の腕の中にいる里奈の体温は、まるで俺の半分がそこにあるかのように、しっくりと馴染んでいた。出張の疲れも、日々のストレスも、全てが遠い過去のことのように感じられた。俺は、里奈の存在が、自分にとってどれほど大きいものになったかを、肌で感じていた。この温かい温もりが、永遠に続けばいいと、心の底から願った。それは、単なる肉体的な結びつきを超えた、魂の触れ合いのような感覚だった。二人の間には、もはや言葉はいらなかった。肌の記憶が、全てを物語っていた。

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