俺と恵子の情熱的な夜は、朝まで続いた。
恵子のマンションの寝室で、俺たちは互いの身体を貪り続けた。
絹のように滑らかな恵子の肌は、汗と蜜で光り、俺の指先を吸い付くように離さなかった。
「んんっ……翔太さん……もっと、深く……」
恵子の声は、快楽に喘ぎ、その細い指は俺の背中を強く掻きむしった。
俺は彼女の言葉に応えるように、さらに深く、強く突き上げた。
ドスッ、ドスッ、と、肉がぶつかり合う鈍い音が、情欲の極限を表現しているかのようだった。
恵子の足が俺の腰に絡みつき、その体をさらに密着させる。
快感が、脳の奥深くを痺れさせる。
何度も、何度も、俺は恵子の奥で果てた。彼女の身体は、その度に大きく痙攣し、甘い悲鳴を上げた。
朝日が差し込む頃、恵子の身体は完全に俺の腕の中で弛緩していた。
俺の胸に顔を埋め、規則正しい寝息を立てている。
その寝顔は、まるで無邪気な少女のようだった。
だが、昨夜の情事の痕跡が、彼女の肌に、そして俺の身体に刻まれている。
俺は恵子の髪をそっと撫でた。快楽だけではない。この女の、全てが、俺の精神に深く根付いている。
朝食を済ませ、恵子を会社に送り届けるため、俺は車を走らせた。
車内では、他愛もない会話が続く。
昨夜の情事の余韻を微かに残しながらも、恵子は完璧な秘書として、今日の打ち合わせの予定を俺に確認してきた。
そのプロフェッショナルな姿勢が、俺の背徳感を一層煽る。
会社に着くと、恵子はにこやかに俺に挨拶し、先にオフィスへと入っていった。
その背中を見送りながら、俺は今日の打ち合わせへの期待と、新たな刺激への欲望を胸に抱いた。
浩二の自宅での情事の後、浩二と裕美は、互いの身体を貪り尽くし、疲労感と、満たされた快感に浸っていた。
二人の身体は、互いの体液と汗でぐっしょりと濡れ、欲望の証をまざまざと示していた。
「裕美……」
浩二は裕美の隣に横たわり、彼女の髪を撫でた。
裕美は浩二の腕の中で、安堵の息を吐いていた。
裕美のグラマーな胸が、浩二の腕に柔らかく押し付けられている。その重みが、浩二の腕に心地よかった。
「浩二さん……私…」
裕美の声は、甘く、蕩けていた。その言葉の続きを、浩二は聞く必要がなかった。
彼女の瞳が、全てを物語っていたからだ。
裕美の指が、浩二の胸板をゆっくりと撫でる。
その指先の動き一つ一つが、浩二の身体をゾクリとさせた。
「裕美…」
浩二は裕美の頬にキスを落とした。
裕美は、満足げに目を閉じ、浩二の腕の中に深く沈み込んだ。
翌朝、二人は何食わぬ顔でそれぞれの会社へと向かった。
浩二の運転する車の助手席で、裕美は昨夜の情事の余韻に浸っていた。
その頬は、微かに赤みを帯びている。
会社に着くと、二人はビジネスパートナーとしての顔に戻り、それぞれのオフィスへと入っていった。
浩二は自社オフィスに入り、デスクに座ると、今日の午前中の打ち合わせの予定を確認した。
竹内翔太との打ち合わせだ。
浩二の脳裏に、恵子の均整の取れたプロポーションが浮かび上がる。
初めて恵子を見た時、浩二は直感した。
この女は、俺の欲望を満たす、新たな獲物になるだろうと。
裕美との関係も深まり、互いの肉体を知り尽くした今、浩二の心は、新たな刺激を求めていた。
恵子の完璧な肉体は、浩二の欲望を掻き立ててやまなかった。
浩二は、デスクの引き出しから、隠し持っていた恵子の写真を取り出した。

それは、以前、下着モデルとして撮影されたものだった。
セクシーな下着を身につけ、艶やかに微笑む恵子の姿が、浩二の視線を釘付けにする。
その完璧なプロポーション、しなやかな曲線、そして、どこか誘うような瞳。
浩二の心臓が、ドクン、ドクンと、早鐘を打つ。彼の身体の奥が、熱を帯び始めた。
「いい女だ……」
浩二は写真に指を這わせた。
まるで、恵子の肌に触れているかのように、指先が熱くなる。
彼の脳裏には、恵子の肉体が、今夜、自分の腕の中で喘ぐ姿が鮮明に浮かび上がっていた。
浩二は、その欲望を抑えきれなかった。
浩二は、電話を手に取った。迷いはなかった。
「翔太、今夜、少し話したいことがあるんだが、時間は取れるか?」
いつになく真剣な声色に、俺は少しの予感を感じた。
いつもの調子とは違う、どこか興奮したような、それでいて抑えきれない欲望が滲み出るような声だった。
俺たちは行きつけのバーで落ち合った。
薄暗い照明が、男たちの秘密を暗示しているかのようだ。
テーブルに置かれたグラスが、照明を反射してキラリと光る。
その光が、これから語られるであろう話の闇を、一層際立たせるかのようだった。
「どうしたんだ、浩二。神妙な顔をして」
俺はグラスを傾けながら尋ねた。
喉を潤すと、バーボン特有の強い香りが鼻腔をくすぐる。
浩二は手元のカクテルを一口飲み、ゆっくりと口を開いた。
「実はな、翔太。お前に相談したいことがあるんだ」
彼の視線が、バーの奥、カップルが寄り添う席へと向けられた。
そして、その目に、俺が今まで見たことのない、どこか獣じみた欲望の光が宿るのを、俺は見逃さなかった。
その光は、まるで獲物を狙う肉食獣のそれだった。
俺の心臓が、ドクンと不規則な音を立てた。
この予感は、きっと、現実になる。
絡み合う糸は、もう、引き返すことのできない場所へと、俺たちを導き始めているのだと。
浩二は再び視線を俺に戻し、その深淵を覗き込むような瞳で俺を見据えた。
「恵子だ。お前の秘書、大山恵子」
俺の心臓が、ドクンと鳴った。
まさか、とは思ったが、やはり。
言葉にせずとも、浩二が何を言いたいのか、俺には分かっていた。
彼の瞳の奥に燃える炎は、俺が恵子に向けるそれと同じ、あるいはそれ以上の熱量を帯びていた。
「初めて恵子を見た時から、俺は彼女の見た目と身体に惹かれていた。あの均整の取れたプロポーション、しなやかな動き……ああ、たまらない」
浩二の声は、まるで詩を詠むかのように、陶酔を含んでいた。
普段のビジネスライクな彼からは想像もつかない、赤裸々な感情の吐露だった。
彼はテーブルに身を乗り出し、声を潜める。
その表情は、興奮と、抑えきれない欲望で歪んでいた。
「俺の欲求が、もう抑えられないんだ。毎日、恵子のことを考えるたびに、身体の奥が疼く。お前の隣にいる彼女を見るたびに、俺の心は嫉妬に狂いそうになるんだ」
浩二の告白は、俺の予想を遥かに超えていた。
彼の言葉は、まるで熱病に浮かされた男の独白のようだった。
だが、その言葉に、俺は不思議と共感した。
男の性とは、そういうものだ。新しい刺激を求める。未だ見ぬ快楽に手を伸ばす。
それは、避けようのない本能だ。
「だから、翔太。秘書の交換をしないか?」
その言葉を聞いた瞬間、俺の脳裏に電流が走った。
驚き、そして、どこか高揚するような感情。
確かに、恵子の肉体は俺にとって最高の快楽だった。
しかし、長年続いた関係は、もはや日常の一部と化していた。
新鮮味が薄れ、ある種のマンネリを感じていたのも事実だ。
そこに、浩二の提案が、まるで乾いた大地に降る恵みの雨のように感じられた。
浩二の秘書、松田裕美。40歳。グラマーな体型。
彼女の醸し出す大人の色気は、俺の好奇心を常に刺激していた。
会議の場で、偶然、彼女の豊かな胸元に視線が吸い寄せられるたびに、俺の身体の奥がざわめいた。
恵子の完璧なまでの美しさとは異なる、裕美の持つ円熟した魅力。
それは、未だ見ぬ快楽への扉を予感させた。
「浩二……お前、本気で言っているのか?」
俺は冷静を装って尋ねたが、内心では既に、新たな快楽への扉が開かれかけているのを感じていた。
俺の問いに、浩二は俺の目を見つめ、力強く頷いた。
「ああ、本気だ。お前だって、裕美のことが気になっていただろう?俺は知っているぞ。お前が、裕美を見るたびに、あの視線を送っていることを」
図星だった。
浩二は俺の視線まで見抜いていたのか…
俺は確かに、裕美の魅力に惹かれていた。
新しい刺激、まだ見ぬ快楽への好奇心。
それは、俺の中の抑えきれない欲望だった。
そして、俺は確信した。
この交換は、俺にとっても、新たな世界への扉を開く鍵となるだろうと。
恵子との関係は、もはや俺の日常の一部となり、俺の精神を蝕むように、深く根付いていた。
だが、その根付いた関係に、新しい風を吹き込む時が来たのだ。
「わかった……交換に応じよう」
俺は低い声で答えた。
その言葉は、俺自身の欲望への降伏でもあった。
浩二の顔に、満足げな笑みが広がる。
その笑顔は、どこか悪魔的で、俺たちの行く末を暗示しているかのようだった。
「そうだろうと思ったよ。で、どうする?恵子の説得は任せるぞ」
「ああ、問題ない。お前も裕美を頼む」
その夜、バーを後にした俺は、どこか浮かれた気分だった。
これから始まる新たな関係への期待感。
そして、同時に、微かな背徳感。
この感覚こそが、俺という人間を形成しているのだと、改めて認識した。